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スーパーカー列伝68 アストンマーティンブルドック

   

こんにちは

イギリスの自動車メーカーは
みんな大手や新興国のメーカの
傘下に入ってしまい、

いまやその独自性を確保しているのは
唯一
アストンマーティンだけと言っても過言では
ないでしょう。

アストンマーティンは1913年創業

ライオネルマーティン
とロバートバムフォードの二人が
共同で創業します。

両方の名前を取らないでマーティンだけ
生かし、レースで良い成績を上げた
英国バッキンガムシャーの村アストン・クリントンの
前だけもらって
アストン・マーティンと命名します。

アストン・マーティンは
いまだに手作りに近い生産を
取っていることからも解りますが

職人気質な会社で、
どちらかというと、
採算度外視で
良い車を作ることを
社是にしておりました。

いまだに生産車の9割が
現存しているということからも
その姿勢がうかがえます。

勢い会社は
経営が苦しい。

経営悪化にともない
創業者の手を離れ、
60年代にはトラクター製造で
財を成した実業家
デイビッド・ブラウンが
買収して実権を握ります。

一連のアストンマーティンの
DBシリーズはこの
ディビッド・ブラウンの
頭文字なのですね。

しかし、ディビッドブラウンも
おの採算を度外視してもいい車
を作るという姿勢は変えなかった
ようです。

ある友人が、デービッドに
「友人なんだから原価で車を売ってくれ」
と頼んだことがあったそうです。
それを聞いたデービッドは
「よーし。ただ定価より高くなるぞ」
と応えた逸話があるとか。

恐るべき会社です。

さて、本題
アストンマーティンブルドックは
1980年に開発された
アストンの新時代を切り開くという
意味合いのモデルでしょう。

ブルドックというとあの短足の
コミカルな犬ですが、
イギリス人にとっては思い入れのある
犬種

なんてったってイギリスの国犬なんですよ。

このネーミングをするということは
なみなみならぬ決意の現われ。

アストンマーティン製のV85.3リッターに
ギャレットエアリサーチ製のターボチャージャー
2機がドッキングされ

なんと出力650馬力。

最高速度は300キロを越えると言われました。

内装もいわゆる木と革のブリティッシュネス
は残しながらも、
なんともハイテクな眺め

当時のプレスフォトを眺めますと
どうやら、デジタル表示のようですね。

アストンマーチンは1974年に出した
当時のフラッグシップサルーン
ラゴンダで
世界初とも言われる
CRTディスプレーによる
インパネをやっておりますから
そのぐらいはやりそうです。

そしてデザイン。

これでもかというような直線基調。

そしてガルウィング。

さらにはハイライトは
角型の5連式ヘッドライト。

なんとボンネットの真ん中あたりがくぼみ
そこからヘッドライトが露出する
という機構でした。

なみなみならぬ熱意を持って開発された
ブルドックでしたが、

やはり、採算を無視したような
生産は経営を苦しくさせ、
当初本格生産も考えていた
ブルドックも計画は頓挫。

なんでも1台だけ生産されたモデルは
中東のさる王子に売却された
とのことです。

その強烈なデザインから
世界の醜い車ランキングにも
入っているようですが、

1980年に考えた車の未来形
だったのかもしれませんね。
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 -スーパーカー列伝

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