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スーパーカー列伝76 アルファロメオスパイダー

      2016/04/13

こんにちは

私の勝手な説かもしれませんが、

ポルシェ911的スタイル変遷というのがありまして。

ようするに長くデザインが変わらない車
のスタイリング変遷(変遷してないのかも)
の一例です。

たとえば、この手の変遷は
ジャガーXJ-6とか
MG-Bとかでしょうか

ジャガーXJですと
シリーズⅠあたりが911のナロー
シリーズⅢあたりがビッグバンパー
XJ-40が964
X-300が993

とかね。

その一例として、このアルファスパイダーもこの好例です。

まずナロー

1966年にスパイダーデュエット1600として登場します。
スタイリストはピンニファリーナを率いるバチスタ・ファリーナ
彼が手がけた最後のプロジェクトです。

このデュエットですが、
じつに美しい車ですね。

バンパーをインテグレートされた
グリル。

そして空力の良さをアピールするような
アクリル製のヘッドライトカバー。

そして、恐るべき長さのリヤオーバハングと
なだらかな曲線を描くボートテール。

サイドには、彫刻のように、掘り込まれた
ラインがフロントからリヤを貫いています。

60年代の古典的なラインと、
フロントからの眺めはなにやら
モダンな雰囲気もあります。

このデュエットは
なんと1300CCのジュニアと言う廉価版
がありまして。

ダスティン・ホフマン主演のあの名作
「卒業」では、彼の劇中の愛車として
登場します。

しっかし、いかに廉価版とはいえ
大学出たばっかの若造にアルファの
スパイダー購入してやんのかよ。

と突っ込みたくなりますが、
60年代のアメリカは豊かな国だったのでしょうね。

さて続いて930

1983年、スパイダーは大きなマイナーチェンジを
受けます。

あの優雅なボートテールはどーんと切り落とされ、
(1970年にすでに切り落とされていたのですが)
大型のリヤコンビネーションランプを装着
フロントの美しいバンパーは
一体化された、普通ーの横一文字のものに
なります。

たぶんにアメリカ市場を意識した変更でしょう。
その後も、当時流行したエアロパーツ
(樹脂製の真っ黒い無粋なやつ)
が取り付けられ、エンジンを2リッター
に拡大したクワドリフォリオヴェルデなど
のモデルが追加されます。

そんでもって最後964(993かな)

90年代に最後の大変更。

統一感のないバンパーエアロパーツなどは
とっぱらって、ボディーと同色で美しく仕上げ、
レザーとアルカンタラの豪華な内装
をしつらえ、念願のパワステ採用。
インパネも豪華になりました。

そして、ついにオートマ(3速だけど)
も選択できるようになりました。

このころになりますと、
1960年代からほとんど進歩していない
足回り、そして古典的なエンジン

などとあいまって、
スポーツカーというよりは
1960年代を現代でも味わえる
タイムマシーン

に近い存在になってましたから、
この変更は妥当なものだったでしょう。

さて今をさかのぼること20ウン年前

中古外車を本気で購入しようと思っていた
私。

このスパイダー欲しいなあと
思いました。

お値段もがんばれば何とか
と言うレベルだったと思います。

見に行きましたよ仙台某所の
K自動車。

ぽつねんとおかれていた
アルファスパイダーはなんとなく
生気を失ったような感じで
そんなに古いモデルではなかったと
思うのですが、どうもあまり
程度も良くなかったように思います。

バッテリーも「上がってて当然」
見たいなお店の方の対応で

エンジンをかけさせてももらえませんでした。
期待はずれ感をもった私は断念しました。
当時露天保管の駐車場しか
なかった私にはたぶん、購入しなかった
ことは正しい判断だったでしょうね。

10年ぐらい前はたまーに80年代の
無粋なエアロがついたモデルとか
こぎれいな最終型とかみかけたもんですが、

今はマジなクラシックカーイベントとかで
デュエットにしか会えなくなりつつ
あるような気がします。

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 -スーパーカー列伝

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