スーパーカー列伝82 日産フェアディ240Z
2016/05/02
こんにちは
そろそろ自動車税の季節になりました。
私のような古い車を持つ人間には憂鬱な時期です。
しかも今年度から、13年超の車齢の車は
自動車税15パーセント付加ですからね。
13年経った車なんて今日、まだまだ使えるんですから、
何とかしてもらいたいもんです。
さて、本日のお題の240Zです。
日本車のなかでも、とりわけ海外を
意識して作られた、フェアレディーですが、
それはその生い立ちが影響しています。
当時アメリカ日産社長の
片山豊
彼は本国に,アメリカ人のライフスタイルに合った
スポーツカーを作ってくれと依頼するのです。
片山は「ジャガーEタイプ」のような車を
作ってほしいと依頼したそうですが、
当時の国産車としては高度な前後ストラットに
よる4輪独立のサスペンション。
ハッチゲートを備えた
スポーツカーとしては望外に広いラゲッジなど
きわめて進歩的な設計が施されました。
一方で、エンジンは日産の実用エンジンである
L型をチョイス。
パワーはそこそこですが、そのタフネスさは
定評があるところで、ともすれば繊細な
メンテナンスが必要となるヨーロッパのライバルたちに
明確なアドバンテージを持っていました。
アメリカでは、この種のスポーツカーは
セカンドカーとして、若者や、ご夫人たち
に使われるというアメリカの事情を考慮したものでした。
さて、海外では、L24エンジン、2.4リッターが基本となった
フェアレディーZでしたが、国内ではやはり
2リッターモデルが基本となりました。
L20を搭載したモデルはその本格的な内容にもかかわらず
80万円台の安価な価格で販売され、人気を博します。
またスカイラインGT-R譲りのS20エンジンを搭載した
432Z(4バルブ、3キャブ、2カムシャフト)は
160馬力という国内最高峰のパワーを発生しました。
一方で価格も最高峰で180万円台でしたが。
さて、1969年の登場から2年後
ついにアメリカ仕様の里帰りとも言うべき
240Zが日本で発売されます。
240は最高出力は150馬力と、432より控えめでしたが
価格は432より安く150万円と抑えられました。
じつは、当時のフェアレディーのイメージリーダーは
432ではあったのですが、最速なのは
この240でした。何せパワーは150馬力と10馬力
劣るもの、最大トルクが21キロと太っていました。
いちおうカタログデーターでは、
432のほうが若干早いことになっているのですが
なにせS20はレーシングエンジンで低速トルクがなくて
その上気難しく、
また、調子のいいエンジンはGT-Rに
優先して搭載されたとの逸話もあるほどで
調子の良い432は少なかったようです。
まあ、買う側からすれば、240のほうが30万近く安く
そして、気楽に高性能が享受できるのですが
これで良いと思うところですが、
1つ問題があるんですね。
冒頭の自動車税ですよ。
当時の税制は
2リッター超の車には禁止的な額の高額税
を課しておりました。
1.5リッター超は
39500円
2リッター超は
81500円!
現行では
4.5リッター超で88000円ですからね。
しかも40数年前の話ですから、
物価も違うでしょう。
ということで、いくら安くて高性能でも
アメリカと同じ仕様の240はなかなか売りにくかったのでは
ないかと思います。
ともあれ、240はシリーズ最高ではないけど
影の実力者というようなポジションで
若者の憧れの的となるのです。
私はどうもこのフェアレディーは
240Z-Gのイメージが強いですね。
鼻先をストレッチしていかにも空力が
よさそうなグランドノーズ(通称Gノーズ)
そしてオーバーフェンダー。
色はマルーンですね。マルーン
それにつけても、もともとファンが多く
コレクターが多いとはいえ、
最近の高値高騰は、もはや
手の届かない存在になりつつありますね。
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