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スーパーカー列伝 96 トヨタソアラ

      2016/08/15

こんにちは

セリカXXの回でも申し上げましたが、

80年代、オイルショックや、排気ガス規制という

悪夢のような、社会的事象を、何とか乗り越えた

日本の自動車業界は、新たな道を模索していました。

 

この二つの嵐をのり超えた日本車は、いままでのような

安くてお買い得な車ではなく、

アメリカの自動車業界にとっても脅威になってきたのです。

日本に対して、さまざまな圧力をかけてくるようになって

来たのです。

 

こんな空気を感じたのか、日本の業界リーダートヨタも

これまでのバリューを追及した車ではなく、

高級感と、これまでにない新しい価値を付加した

車を開発しようとしていたのかもしれません。

 

1980年に大阪モーターショーに地味なショーカーを

出品します。

EX-8

初代トヨタセリカのショーモデルとして出されたEX-1の続き番号で

出されたこの車は、かつての若者にアピールするようなモデルでは

ありませんでした。

 

その前に登場した、日産のレパードの革新的なデザインと

比較して、コンサバなデザインだった、EX-8は

玄人筋からはあまり高い評価を得られなかったと

言います。

 

このモデルが、しかし市販化されるや否や、

大変な人気モデルに化けるのです。

 

エンジンは、2.8リッターという大排気量のツインカム。

しかし、そのツインカムはかつて高性能エンジンとは

全く違う世界を醸し出す、実用性を高めた

エンジン。油圧ラッシュアジャスターなど、メンテナンスについても

まったく気難しいところがないこのエンジンは

トヨタがめざす、高性能と高級の要求を満たすものでした。

 

80年代のトヨタではデジタルスピードメーター

そして、エンジンのトルクカーブを表すような

デジタルタコメーターが装備される車がありましたが

この嚆矢はこのソアラだったのです。

 

また80年代はありとあらゆる車で白が流行った時代

でした。これもソアラに採用された

従来の白から大幅に明度を上げた、当初は

ソアラ専用色の「スーパーホワイト」が

関西ペイントの提案を生かして採用されたものでした。

 

その後エンジンは3000CCに拡大、

ブラウン管を活用したエレクトロマルチヴィジョンは

今でこそ、カーナビをメインとしながら

ありとあらゆる情報を映像として、

表示するという、現代では当たり前になって

しまった機能ではありますが、当時これを

ある程度実現していたことは驚くべきことでした

 

いわば車のハイテク化を前倒しにして実現していた

ソアラですが、車そのものも、当時としては

大変先進的なものでした。

最高速度は200キロに届こうとしていましたが、

 

排ガス規制前の 200キロカーといえば

スパルタンそのものでしたが、

ソアラはエアコンの効いた室内で、

オートマ、パワステ、というイージードライブ

を駆使しながらいわば易々と200キロを

出せるという、ヨーロッパの高級GTに

大幅に迫る性能を発揮したのでした。

 

80年代、ソアラの登場は、90年代のバブル期に

多くの優れた車を登場させた日本の自動車業界の

ベースとなるものであり、また、90年代には

かのセルシオを出して、大いにヨーロッパ、アメリカの

高級車業界を驚かせる起点となるものであったのでは

ないかと思うのです。

 

しかしながら

このソアラも3代目登場するころには日本の景気が後退

4代目はレクサスとして、生きながらえますが、残念ながら

生産中止、後継モデルらしいものは

登場していません。

80年代、憧れを抱くような国産車のなかでも

もっとも注目を集めたソアラ

こういう車はもう登場しないのでしょうか

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p11

 

 -スーパーカー列伝

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