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名車列伝6 カリーナED

   

こんにちは

かつての日本車ってのは本当にこんなにいろいろ作って

売れるんかいなと思うぐらいワイドバリエーション

だったのですが、そのワイドバリエーションが

ついに別の車になってしまったという話。

 

カリーナED

なんてったって エキサイティング・ドレッシーだかんね。

私の父は、こいつの2代目に乗っておりましたが、

零細  企業の社長だった父はこいつを買うときは

大分悩んでましたね。従業員の目もあり

 

最近の車ではすっかり死語なのかもしれませんが

当時はカッコつけ車の1ジャンルとして

ハードトップってのがありました。

ハードトップってのはソフトトップの反対でして

要するに幌(ソフトトップ)をかぶってるコンバーチブルに

取り付けする耐候性のある、固い屋根のことをハードトップと

言っていたわけですけど、このオープンカーに

ハードトップをつけたようなスタイリングを

真似した、なんちゃってなスタイルを

ハードトップと称しておりました。

アメリカあたりから輸入されたスタイリング

だったと思われます。

要するにツードアでセンターピラーのないスタイルの

車のことですね。

 

さて、これの変種で4ドアハードトップというのもございまして

このハードトップスタイルを4ドアでやるわけでして。

一つもんだいがあります。

後ろのドアはどこにつけるのか。

センタピラー、真ん中の支柱がないわけですから

後ろのドアをどこにつけるのか。

まあ単純に考えれば、床からにょきっとはやした

支柱にドアを括り付けるんでしょう。

これが4ドア(ピラーレス)ハードトップ。

もう一つ方法があります。

にょきっとはやした床からの支柱と

天井を目立たないようにつなぐ柱をつくって

そこにドアを括り付ける。

こいつを4ドア(ピラード)ハードトップ

と称します。

 

何だか知りませんが、日産はピラーレスで

トヨタはピラードがお好きでして、

セドリックは昔っからピラーレス。

クラウンはピラード(かなり太めの)でした。

 

まあハードトップの歴史的意義からすれば、

センターピラーがないのがハードトップで

ピラーがあったらハードトップでないような

気がしますが、そういう自己矛盾を抱えている

ことが嫌だったのか、あるいは似非ハードトップと

言われるのが嫌だったのかわかりませんが、

カリーナEDはトヨタ初の4ドア(ピラーレス)

ハードトップとして登場するのです。

 

まあ、本当のところはわかりませんが、

当時若者向けに売ってきた、カリーナの

顧客層も少々高齢化してきておりましたでしょうから

これまでのクーペ、リフトバック路線ではなく

一応4ドアがついて、後席アクセスも良く

かっこいいセダンという感じで作り上げられたのだと思います。

 

おそらく、着想のヒントとしてはジャガーあたり

なんでしょうね。

ただまあ、ジャガーはあのスタイリング圧倒的重視、居住性無視を

圧倒的にデカいサイズ(5メーターぐらいあります)

で実現し、そいつにイギリスの伝統の内装の美しさを

おまけに、「これぞブリティッシュネス」という雰囲気を

出しているので、先生方絶賛なわけですが、

こいつを、カリーナクラスで実現しようと致しますと、

いきおい後席は狭くて乗れないわけでして、

専門家筋からは、「インチキなセダン」

として酷評されましたが、足回りは定評のあった

FFセリカベース。走りはまずます。

そしてやっぱ、これまでにない背の低いスタイリッシュなボディー。

世間一般からは大いに受けて、トヨタも驚く(驚いてないのかも)

大ヒット作となるのでありました。

先生方は見誤っていたのかしれませんが、要するにこの車

のリアのドアはセダンである象徴ではなく、

お父さんが車を買うときの「エクスキューズ」であった

ということで、なんちゃってセダン、本質クーペであった

ということなのであります。

その後、この成功に目を付けた、各社から似たようなコンセプトの

背の低い4ドアハードトップが雨後のタケノコのように登場

するのですが、先行者利得だったのかどうなのかわかりませんが

カリーナEDほどの成功を収めることはなかったのでありました。

 

さあて、このカリーナEDそのごモデルチェンジを重ね

3代目まで登場しますが、

4ドアピラーレスハードトップの側突安全性の問題など

もあり最終型はピラードになるなど次第に迷走。

景気後退の影響もあり、売れ行きも不振となって、

3代目でピリオドをうちます。

 

自動車評論家の先生方は一様にこの手のセダンに

否定的ではありました。行ってみれば好景気時代のあだ花みたいな

感じで捉えられておりました。

21世紀。あのドイツからにたようなコンセプトの車が登場します

メルセデスベンツCLS

結局のところ、質実剛健真面目で実直みたいなドイツメーカーも

競争が激化して、さまざまなバリエーション展開すれば

つまるところ同じような、カッコつけセダンを作るということ

なのでしょう。

ジャガー大好きで、EDみたいなセダン大嫌いだった

徳大寺先生は、この車をどう評価するのか

聞いてみたい気がします。

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 -名車列伝

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