スーパーカー列伝95RUF BTR

こんにちは

情報発信を続けているといろんなことがあるもんで

先日、英語のメッセージをいただきました。

お前英語は解るのか?

多少は解るとお答えすると。

 

ポルシェを持っているのか

 

とお尋ねがあり。

持ってると伝えると。

 

私はBTRを持っていると。

 

そりゃすごい。

 

とお伝えしますと。

お前はRUFを知ってるのか。

 

とのお返事がありました。

 

BTRのどのモデルなのかまではお伺いできませんでしたが

せっかくの機会なのでBTRの話をひとつ

本シリーズ2回目の登場のRUFですが、

ポルシェをベースにしたスーパーカーを

作り続けています。

チューナーではなく、ドイツではれっきとした

自動車メーカーとして

認められている企業です。

 

BTRは、CTRに先立って、ポルシェターボを

ベースとして、開発が進められました

BTRはビッグ ターボ ルーフを表すもので

ポルシェターボよりも大きいタービンを

装備してパワーアップを図るというコンセプト

 

エンジンは若干ボアアップして、

3366CC,

加給は0.92barというスペックから、

最高出力374馬力、最大トルク49kgmを誇りました。

ポルシェターボは、オリジナルモデルでは

ミッションがパワーに耐え切れないため

4速しか用意されておりませんでしたが、

RUFは専用の5速を開発。

最高速度は時速280kmとの触れ込みでしたが、

実際欧米有名誌が行った1986年のテストでは

300kmをオーバーしたということです。

 

クーペーモデルは世界限定で30台あまり

が生産されたといわれます。カブリオレモデルも

あるようですが、その数はごくわずかのようです。

 

当時のお値段3000万円也!

 

このBTRですが、その先行試作車とも

いうべき車がありまして、そのつや消しオリーブグリーン

のカラーリングから

BTR NATOと呼ばれています。

 

このカラーリングが選ばれたのは

開発中なんでテスト走行などで写真を撮られたとき

などに目立たないように、ということで

このカラーリングとなったようですが、

今でこそ、つや消しの車ってのは

一部に見られるものの、

私が最初に見たとき、この全面つや消しの

ロードカーってのはこれが始めてって

感じでしたね。

(まあボンネットつや消しとか、ツートンで

下周りつや消しってのはありますけどね)

 

このNATOですが、ディーラーである

石田エンジニアリング(現RTC)の手によって

日本に引き取られ、今でも日本にあるようです。

当初、RUFの激しいテストに供されたため

あちこちクラッシュの後があり

塗装もむらがあったりしたようですが、

現在はその雰囲気を残したまま

丁寧なレストアが施されています。

 

しかし、そのリヤフェンダーには

荒々しい、リベット止めの修復の

跡が残されているようです。

 

さて、このBTRは、その後964バージョン

993バージョンも作られました。

RTCさんではこれらのモデルの

コンバージョンキットも販売しており、

993を持ち込めは改造もしていたようですが

現在は販売は行っていないようです。

 

それにしても、昨今のオールドポルシェ

高騰のなか、BTRはどのぐらい

するんでしょうかね。

 

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スーパーカー列伝94 メルセデスベンツC111

こんにちは

 

完全か無か。Das Beste oder nichts

 

メルセデスベンツのスローガンです。

 

最近はドイツ語でなくて、英語で書かれること

が多くなって、ちょっとやさしくなった気もしますけど、

 

90年代の前半ぐらいまでは

ドイツ語のこの語感がぴったりの車作りを

続けていました。

 

そのメルセデスベンツ、どちらかといえば

安全かつ高品質なサルーンカーメーカーという感じですが、

 

この「完全か無か」の精神で車を開発しているのですから

その精神が「高性能」に向かえばこんなものができる

ということでしょうか。

 

C111は1960年代から1970年代にかけて

メルセデスベンツの技術のショールーム、

そして、新技術の開発のために作られた車

だったといえるでしょう。

 

おそらく、そのコンセプトは、

メルセデスベンツ300SLを現代によみがえらせる

というようなところであったのではと思います。

 

300SLは本シリーズでもご紹介いたしましたが

1950年代に未来から持ってきたような、

先進的スーパーカーでした。

300SLにも採用されていたガルウイングが

採用されたあたりも、そのことをあらわしていると

思います。

1969年に登場した初代C111は

エンジンはなんとロータリーでした。

ロータリーといえばマツダという

感じがしますけれども、実は

ヴァンケルエンジンと言われるように

もとものはドイツNSU社(現代はアウディに吸収)

の発明でありました。

 

当時ローターリーは波状磨耗という

耐久性に対する課題を抱えていて、

半ばだまし討ちに近い形で、

マツダにライセンス供与、

(どうせ解決できるわけないだろと思っていたらしい)

がマツダは脅威的な努力で

これを実用化したのですが、

NSUは解決できなくてクレームの嵐。

とうとう会社も潰れるという憂き目をみたのです。

 

そんなロータリーですから、

ドイツの意地にかけても、ロータリーを

採用したのかもしれませんね。

 

1969年のフランクフルトモーターショーに出品されたC111

当初3ローターで最高出力は280馬力と

いうもので、これをミッドにレイアウト。

ボディーはFRP製で軽量で、

最高速度は時速260キロというものでした。

 

さて、ここからが、「完全か無か」の面目躍如。

 

徹底的に性能アップを図っていきます。

 

1970年のジュネーブショーには、

なんと前代未聞の4ローター。

最高出力は350馬力と発表され

最高速度は300キロ。

0→100km/h加速は4.8秒というものです。

 

その後、オイルショックがあり、燃料を馬鹿食いする

ロータリーは断念されますが

メルセデスベンツはあきらめません。

 

今度はターボディーゼルを搭載した経済モデル

を発表。

1976年に登場したC111-IIDはボディーは2代目を

踏襲していましたが、エンジンは3リッター直列5気筒

ターボディーゼルエンジンを搭載。

最高出力はなんと190馬力とガソリン車並でした。

 

これにも飽き足らず

1978年には

C111-IIIが登場。

こちらはボディーに大幅な変更を加えられ、

4輪はカバーで覆われ

なんと、リヤには垂直尾翼のような安定板を

付け、Cd値は0.191(!)

エンジンは同じ直5ターボディーゼルで230馬力にパワーアップ

イタリアのノルドサーキットで322キロを記録します。

 

ディーゼルはもういいかと1979年には

C111-Ⅳが登場。

Ⅲでついていた垂直尾翼は2本に増え

4.8リッターにKKK製のターボを

くくりつけてなんと最高出力500馬力。

最高速は時速400キロに達しました。

 

 

10年近くにわたって研究開発が進められたC111は

完成度の高いショーモデルのできばえなどから

話題になり、幾度となく市販化のうわさ

(後半のほうはあまり市販化する気はなかったような

開発をしてますが)

が出ましたが、結局市販化はされませんでした。

 

しかし時代は流れて1990年代。

ポルシェ959あたりに刺激されたのか

メルセデスベンツはC111の発展版ともいうべき

C112を世に送り出します。

C111を現代によみがえらせたような

ショーモデル。ここにも

「完全か無か」の精神が生かされたのか

完成度が高く、市販化がアナウンスされていました。

 

しかし、結局、予約金まで集めたにもかかわらず、

市販化はされませんでした。

 

結局のところ

C111は完全ではなく

無であったということなのかもしれませんね

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カーラーイフ小話15 ボアとストローク

こんにちは

先般のダウンサイジングターボの話をしたあと

昔の雑誌を思い出し読み返してみました、これとあわせてボア・ストロークの話を一席。

 

 

ボアってのはシリンダーの直径のことで、ストロークってのは

そのシリンダーの中をピストンが動く距離ですね。

 

ポルシェはフラット6後輪駆動というレイアウトを選択したため、

どうにもエンジンの排気量を闇雲に拡大できないというジレンマがあります。

 

え、なんで。

 

それはシボアピッチ以上にシリンダーを拡大することは

できないからです。(当たり前か)

 

ポルシェの歴史は、ボア拡大による、排気量アップの歴史でした。

当初2リッターでスタートしたフラット6のエンジンは、あくなき

ボア拡大により、排気量アップを図ってきました。

 

それは、性能の向上というのと、排気ガス規制に対応した

パワーダウンを補うという意味がありました。

 

2.4リッターまで拡大してもうこれ以上無理。

と思っていたのですが、なんと、アルミにシリコンとニッケルの化合物を

コーティングすることで、それまで入っていた、シリンダーライナーを取っ払うこと

に成功。90ミリのボアに70.4ミリのストロークで2.7リッターを実現

するのでありました。

 

さらに排気量拡大はエスカレート

ついにボアは95ミリ、ストロークそのまま、で3リッター。

もうボアはいい加減にしてということで

ストロークも74.4まで伸ばして

3.2リッターまで行きました。

 

ここまでナロー&930

続いて964

ついにボア100、ストローク76.4まで伸ばして3.6リッター

闇雲にボアを拡大しますと点火時の火炎伝播が悪くなりますので

これに対応して

ツインプラグ化

フラット6もここまできたかという感じ。

 

そしてついに空冷究極の

ボア102で3.8まで拡大するのです。

 

さて、ここまで、

ボアの拡大に比して、ストロークの拡大は小さいこと

にお気づきいただけるでしょうか。

 

これはなぜか。

フラット6エンジンは闇雲にストロークを伸ばすと

エンジンの横幅が広くなってしまう。

 

からです。

 

え、コンロッドつめろ?

 

そうは問屋がおろしません。

 

コンロッド長が短くなると、エンジンの

スムーズさが失われてしまうのです。

 

 

コンロッドが短くなると、どうしてもピストンがシリンダーの内壁を

押す力が強くなってしまいます。(クランクを下に押し下げる際に

角度が大きくなってしまうため)

サイドスラストといいます。

振動の発生や、スムーズな吹けあがりに影響が出ます。

 

一般的には、コンロッド長さと、ストロークの長さの比は

2倍程度、少なくても1.8倍程度あるのが良いエンジン設計とされています。

 

ポルシェの場合、旧空冷エンジンでは

コンロッドの長さは127ミリだそうです。

 

そうしますと

2.7から3リッターの時代では

何とか1.8を確保。

3.2では

1.7台

3.6にいたっては

1.66となっています。

 

これ以上の拡大は無理と思ったかどうか、

(もちろん時代の要請もありますが)

996では空冷のエンジンはあきらめ、

新たなエンジンを開発します。

3.4リッター水冷。

こちらはボア96ストローク74

しかし後期型では早くもストローク82.8と延長

3.6リッターを得ています。

このときのコンロッドの長さは不明なのですが

ボアの伸張にあわせてコンロッドを長くしている

とは思えませんので、またコンロッド/ストローク値

は悪くなっていると思います。

 

ここら辺はポルシェも問題視したのかどうか

997の後期では、ボアを97にして若干ストロークを

つめて81.5

3.8、モデルでは102のボアに77.5とストロークつめています。

 

さてさて、

991では3.8はそのまま、3.6のモデルは3.4にエンジンをダウンサイジング

して、ストロークを77.5につめています。

 

 

というわけで。

後輪駆動フラット6というエンジンレイアウト=911のアイデンティティーだと

すれば、スムーズでマナーの良い、大排気量のエンジンが作りにくいと

いうことがお分かりいただけますでしょうか。そういう意味では

ダウンサイジングは正しい道なのかもしれません。

 

オールニューの3.0のふつうの911ダウンサイジングカレラですが、

未だボアストロークの数値がメーカーサイトの

スペックにも載っていませんけど、(誰も興味ないんか?)

 

さらにストロークをつめて、

ついでにコンロッドも伸ばして、

コンパクトでもスムーズなエンジンになっている

ことを期待したいものですね。

 

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カーライフ小話14 ダウンサイジングターボの話

こんにちは

 

ダウンサイジングターボ。

日本の自動車メーカーはあまりやってませんが

海外のメーカーは熱心にやってますね。

 

かつてのターボエンジンってのは

パワーバンドに乗ればバキューンと

すごい勢いで加速していきますが

それにいたるまでの低速域では

ターボが効かないもんですから

 

ターボ加給に合わせて低圧縮化

されたエンジンとあいまって

それまでは、なんともシャキッと

しない走りになってしまいます。

 

ターボラグってやつです。

 

ターボチャージャーってのは

航空機用のエンジンで

高高度で、空気が薄いところ

を飛ぶことがある場合に

空気を圧縮して燃料を燃やしてやるという

のが出発点でした。

 

飛行機みたいに定速回転で

ブーンと回り続けている

エンジンとな相性は良いですが、

一般の道を走る乗用車との相性は

必ずしも良いとはいえません。

公道では、停止してから、加速

停止してから、加速というシチュエイションが

続くからです。

 

さて、エンジンの圧縮比を下げないで

ターボで加給する方法はないもんか。

 

技術の進歩はこれを可能にしました。

直噴技術です。

 

従来のガソリンエンジンは、

吸気ポートから、空気とガソリンを混ぜた

混合気を吸入して、

そいつをシリンダー内で圧縮。

圧縮した混合気に。点火プラグで

点火、それで爆発という過程をたどっていました。

ただですね。吸気ポートから入ってくるのは

燃えやすいガソリンと空気の混合ガスです。

エンジンの圧縮工程ではこれをギューと

圧縮するわけで、当然温度が上がっちゃいます。

温度が上がると点火プラグがスパークする前

にガスが勝手に燃えちゃうことが発生して

しまいます。

これを異常燃焼(デトネーション)ともうします。

ターボで圧縮された空気が入っても

異常燃焼が起こらないように、ターボカーは

圧縮空気が入ってくる前提で圧縮比を

設定していたんです。

 

 

直噴の場合は

吸気ポートからは空気のみ吸入して圧縮。

インジェクターからは吸気工程では

ちょととガソリンを吹きます。

これにより気化熱でシリンダー内の

熱を奪って異常燃焼を起こさないためです。

そして圧縮工程の最後に近いところで

燃焼に十分なガソリンを拭いてやります。

そして点火。

この方式であれば、たとえターボで

圧縮した空気がポートから入ってきても

自分で着火することはありません。

 

これに組み合わされるのが、小さいターボ。

ターボは小さければ、質量も小さいわけですから

それを回転させる排気ガスのパワーも

小さくてすむ。

これによって、低回転からでもターボが

回転する、レスポンス良く、効率よい

ターボエンジンが完成したのです。

 

ただね。

 

どんなにうまく設計しても

ターボラグはゼロにはならないでしょう。

アクセルの踏み始めからターボが効くことは

無理(限りなくそれに近いにしても)ですよ

機械的につながってるわけじゃないですから。

 

そうなると、ダウンサイジングターボのエンジンは

もともと2リッターぐらいのエンジンを搭載

していた車に1.2リッターぐらいのエンジンだったり

するわけですから、踏み始めは

「う、パワーねーな」と感じて

ガバっとアクセル開けちゃうかもですよね。

 

そうなるとせっかくの低燃費エンジンも

思ったほど燃費がよくないという

ことになってしまうかもしれませんね。

 

わが国に目を転じますと、

世界に冠たる、渋滞大国。

ゴーストップの多い交通は

これまでも多くの輸入車を悩ませてきた

ところです。

 

こういう交通のありようの中では、

ダウンサイジングターボが効果を

発揮しにくいということもあるのかもしれません。

 

この辺がヨーロッパの企業が、ダウンサイジングに熱心で

日本がハイブリットに熱心な違いを

生んでいるのでは

と思っています。

 

ただ、ガソリンの消費量を削減すると言う意味では

どちらも同じ技術ですけどね、

地球環境に付加を与えない、という意味では

短期的には、ダウンサイジングターボに

分があるように思います。

 

問題はあのでかい電池をどうするか

というところにあるように思います。

 

今日のところはここまで

今度はポルシェ911の全クルマターボ化と

絡めてお伝えしていきたいと思います。

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(出典TDK ウェブサイト)

スーパーカー列伝93 フェラーリ512BB

こんにちは

 

リクエストにお応えすることにして

(あんまり褒めてないけどご容赦)

 

フェラーリは1966年登場のライバルの車に

あせりを感じていました。

 

ランボルギーニミウラ。

 

なんと長く大きなV12エンジンを横置きに搭載して

搭載するという方法を用いて

車がやたら大きくならないようにして

V12のミドシップロードカーを

成立させてしまったのです。

ミウラの評判は登場以来

うなぎのぼり

 

当時のフェラーリのフラッグシップは

365GTB4 いわゆるデイトナ。

FRのロングノーズのスポーツカーでした。

 

フェラーリもミドシップV12のロードカーを

作る必要に迫られたのです。

 

そこで出した回答が365GT4BB

でした。

この365GT4BBは、どうも、大量生産を

考えないで設計されたと思しき点が

多々あります。

当初は25台の限定であった

という話もあるぐらいで、

製造に恐ろしく手間がかかる車でした。

 

それが証拠に、デイトナでは

スチールプレスによりボディーを

製造していたにもかかわらず、

365では手たたきのアルミ成型という

昔ながらの製造に戻ってしまったのです。

 

ボディーの構造もそれまでのフェラーリ

の鋼管を組み合わせたフレームも単純化

 

それに組み合わされるシャシーの構造も

FRPのパネルを用いる。

エンジンのパーツの一部に

マグネシウム合金を用いる等

恐ろしく軽量化に力を入れていました。

 

結局のところ、360台あまりが生産されるのですが

その後もフェラーリのフラッグシップとして、

生産が続けれられることになりました。

 

フェラーリは生産性改善のため、

365の理想を捨て、合理化を図りました。

 

マグネシウムやFRPなど、軽量化のために用いられた

パーツをアルミやスチールに切り替え

コストダウンと生産性の向上を図ったのです。

 

365GTBは、この種のV12気筒のロードカーとして

は望外に軽い(実測でも1300キロ程度といわれる)のですが

 

この理想を捨てた、512BBは、これより120キロ以上の

重量が加わったといわれています。

 

そのためエンジンの排気量は5リッターに拡大

されているのですが、

 

アメリカの排気ガス規制に対応したモデルでは

出力もそれなりに落ちており、

 

365の剃刀のような走りは失われて

しまったといわれています。

 

また、長大なV12エンジンを短縮して搭載

するために、エンジンをトランスミッションの

上に搭載する2階建て構造を取っていますが、

いくら180度V12ににして

低い重心化を図ろうとも、

いかんせん2階建て構造のパワートレーンは

重心が高く、コーナーでは油断すると

容易にテールがブレークするという

車でもありました。

 

その後時代が進むにつれて、インジェクション化

などが図られて、80年代半ばまで

BBは生きながらえ、そしてこのパワートレーンは

テスタロッサシリーズに受け継がれていくのです。

 

話は変わりますが

現代のフェラーリのラインナップ

を見ますと。

V12の超絶ハイテクMRモデル(たいてい限定で億単位)

V12のFRのフラッグシップモデル(通常モデルで5000万ぐらい)

V8のMRモデル

というのが基本となっていることが

お分かりいただけますでしょうか。

テスタロッサ系が生産が中止されて

からのラインナップはずっとこれが基本です。

 

このBBとテスタロッサは

本来の成り立ちは

V12の超絶ハイテクモデル

に位置すべきものであり

365は、確かにそういう成り立ち

であったのですが、

 

その評判の高さから

FRのフラッグシップモデルの

代替にしようという考えが

働いたときから、ポジショニングがおかしく

なってしまったのです。

 

フェラーリはおそらく

V12ミッドシップのロードカーなんて

(うちの客のいうことなんか聞いていたら)

まともな車になんかなりようがない

ということを知っていたのかもしれません。

ですからBBを当初は超絶手間がかかる

設計の限定モデルにして、軽量化を

図ろうとしたのでしょう。

 

一方で

(客の声などものともせず)

設計されたミウラ後継のカウンタックは

その理想にこだわって小さな車として設計され

およそロードカーとしては成立しないような

低い居住性のスポーツカーとして生み出されました。

まあ、こちらも重さと重心の高さから

免れてはいないのですが

 

V12のミッドシップのロードカーが本当に

成立するのは、後のマクラーレンF1

の登場を待たねばならないのでした。

 

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スーパーカー列伝92 フェラーリ360モデナ

こんにちは

新世代のアルミフレームフェラーリ360モデナです。

 

フェラーリはV8モデルの設計について

348を出す際にひとつの決断をします。

 

鋼管スペースフレームの主構造を

あきらめることです。

 

そして通常の量産車に近い

セミモノコック構造をとったボディーに変えるのです

348では評判はいまいちでしたが、

その後継モデルであり、フェラーリの品質を

一気に高めたF355では評価されるように

なっていきます。

 

さて、この種のスポーツカーですが、

顧客が、スポーツの刺激だけではなく、

豪華な装備、高い居住性をも求めているのは

これまで申し上げてきたとおりです。

事実、モデナでは、コックピットの後ろに

ゴルフバックがおけるぐらいのラゲッジスペース

を確保。

メーカーでも、フェラーリブランドのゴルフ

バックを用意していたぐらいです。

 

顧客の要望通りの居住性を確保しながら、

ぼんやりと設計すれば、

フェラーリの名にふさわしくない

駄馬が生まれることは間違いありません。

 

ここでフェラーリは考えました。

 

顧客の要望を満足しながら、

フェラーリにふさわしい、新世代のボディーを

つくるにはどうしたらいいか

 

要するに、でかくなる車を

どうやって軽量化するかってことですね。

 

そこで登場するのがアメリカの大企業

アルコアです。

 

アルコアはアルミニウムカンパニーオブアメリカ

というベタなネーミングを冠した

アメリカの企業です。

 

フェラーリはここと合弁の工場を建設。

フェラーリ用のアルミフレームを製造

するのです。

 

成果は現れました

 

F355(全長・全幅・車高・ホイールベース 単位mm)

4250・1900・1170・2450

360モデナ

4477・1925・1215・2600

 

F355より一回りも大きくなった360モデナですが

なんと重量は

F355が1440KGに対しモデナは1430KG

と10キロ軽量化をしているのです。

 

加えてエンジンはストロークアップして

3500CCの355に対し3600CC

です。

出力は20馬力ほども増えついに400馬力に達しました。

これらの運動性の向上に対し、

ホイールベースを延長して、

加えてトランスミッションを縦置きに改めて

重心高さを下げるなど、安定性を高める努力をしています。

 

さて、360のスペックを見ていきますと

妙なことに気がつきます。

 

トレッド前 1669

トレッド後 1617

 

あら、前のほうがトレッドが広い。

ミドシップのスーパーカーといえば

リヤは太いタイヤを履いて

幅広のオーバーフェンダーというイメージですが

モデナは前のタイヤ幅のほうが広いのです。

 

一般的に前のトレッドを広げると

コーナーリング性能が上がり、

 

リヤのトレッドを広げると、

安定性指向になるといわれております。

 

いくらミドシップとはいえロードカーですので

 

F355時代ではやはり後輪側のトレッドが広く

安定志向となっていましたが

 

モデナはホイールベース延長、重心高の低下など

の安定性向上を、

前トレッドを広げて

回頭性を高める方向に振ってあるのでした。

 

物の本によれば

このあたりはマクラーレンF1の登場に

相当影響されたということのようです。

 

確かにマクラーレンF1は

ロングホイールベース

フロントトレッドが、

リヤのトレッドより大きいなど

モデナがお手本にしたのでは

と思しき点があります。

 

加えて、マクラーレンF1という

ネーミングが示すとおり、

公道を走るF1という意味が

こめられていたと思います。

 

事実、BMWのエンジンが搭載されるまでは

本田F1用V10の供給を望んで

いたといわれています。

 

後に登場するフェラーリのF50、そしてエンゾは

フェラーリF1を積んだロードーゴーイングカー

というコンセプトでしたが、

このコンセプトそのものが

マクラーレンF1からいただいてきたもの

という感じもしなくはありません。

 

フェラーリもF1のライバルの

ロードカー進出に危機感を持っていた

表れかもしれません。

 

さて話が脱線しました。

 

私モデナ、助手席に乗っけてもらったことがあります。

オーナーいわく

「そんな早くないですよ」とのこと

 

確かに、

私も40年物のポルシェ乗りの端くれ。

最高出力は倍でも、

車両重量で300キロ重い

3.6リッターのフェラーリ。

 

最高速度が290でも

加速はそんなでもないのでは

と思って乗せていただきましたが

 

まったくの別世界でありました。

公道でしたので、速度は

それなりに抑え目だったと思いますが。

乗っていてちょっと気持ち悪くなるような

加速でした。

 

かつてはマラネロの民芸品とまで

いわれていたフェラーリですが、

ここモデナにいたって、本当のスーパースポーツに

なったのだと思いました。

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カーライフ小話13 書類とってますか

 

こんばんわ

今日はたまたま、うちのポルシェをガレージから出してみました。

エンジンはたまに始動してますけど

最近、あんまり動かしてませんでした。

車止めてみて、車検証入れなど

取り出して、

購入したころのことや、

いろいろ修理したこと

パーツを個人輸入したこと

などなど、

いろいろ思い出してみました。

最近車を購入したころ知り合った友人が亡くなったり

当時の車を売却された方などもいらっしゃって、

私自身もあのころ、ポルシェに乗り出して

とても新鮮だったころの気持ちを

忘れつつあったので、こうした

書類を見直してみると

当時どんな気持ちで車に向き合って

いたのかを思い出す良い機会となりました。

私はどっちかというとあまり

几帳面な方ではないので

書類とかも結構適当で

全部取っているわけではないのですが、

車もある程度古くなってきますと

これらの整備記録

その他、部品の発注の記録等

このようなものが、思わぬ価値

を生み出すこともあるかもしれません。

骨董品の類であっても、

鑑定家、好事家などが

その品について、肯定的な記載をすれば

その品の価値がが高まるように、

我々も車を愛好していた証として

記録を残すことは、

決して無意味ではないと思うのです。

私が自分のポルシェを発注したのは

今から13年前でしたが、

当時110万円だったようです。

それから時が流れ、

もはや車歴は40年に達しますが

価格はその額では済まないでしょう。

ことほど左様に、古い車というのは

突如として、その価値が見直されるものです。

まして、新興国経済の発展による

中産階級の増加は、

古くてもコレクターズアイテムと

なりうる車は、需要は(浮き沈みあるにしても)

増えていくものと思います。

みなさん、車は乗って楽しむため

購入されていると思いますので

転売して儲けるのが主目的では

ないと思いますが、

やはり、ある程度記録を残しておくことは

その車の価値を保ち

次の世代へ、引き継いでいく

という観点から、

有効な手段だと思うのです。

私はといえば、

記録を読み返して、この車にかかわって

いただいた皆様からのご恩、ご縁等

振り返ってみたり、

10年も前の若かりし自分が

どのように、車に情熱を傾けていたのか

とか、振り返る良い機会となりました。

たかが書類されど書類。

保管していくことは

無駄ではないのかなと思います。

データー