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スーパーカー列伝77 ポルシェ914

   

ワーゲンとポルシェの話
続きます。

ポルシェってのは正式な社名を和訳すると

フェルディナンドポルシェ名誉工学博士 株式会社

となるんですが、

いってみれば、この会社はナチスにうまいこと利用された
ポルシェ博士の名誉を回復し、その知的財産を
活用していこうというような存在意義を
あらわした社名ですね。

当初はベンチャー企業のようなもんで、

一番最初に出したポルシェ356だって

ポルシェが手を加えるものの、
基本的にはワーゲン(ビートル)のコンポーネンツを
うまいこと利用して、
軽量コンパクトなスポーツカーを生み出そう
というコンセプトでした。

手持ちのコンポーネンツがRRの
ビートルだったので、356もいきおい
RR(本当はミドシップにしたかったみたいですが)
だったのでポルシェはRRになったわけですが
356が名声を得たため、
次のポルシェ911もRRにする
というのは規定路線となり、
この911が名声を得たため、
ポルシェ=RRという図式ができてしまいました。

まあ、昨日のエピソードでもお話したとおり
ポルシェのワーゲンはなんとも関係が深い
企業でして、この両者が組んだプロジェクト
がこの914だったわけです。

914はその昔の356と同じような
成り立ちです。

エンジンはビートルのエンジンをベースとして
ワーゲンが製造

そしてボディーの設計、製造は
ポルシェが受け持つ。

そしてブランドはワーゲンとポルシェの
ダブルネームでした。

これには両者の思惑がありました。
ワーゲンにはビートルのコンポーネンツ
を利用した新しい車の製造。

そしてポルシェは356に比べて豪華
で本格的になった911が結果的に
価格が高くなってしまったため、
もっと安価で量産が見込める車の開発です。

この両者が組んでできたのがこの914です。

356、911が4座にこだわったため
実現できなかったMRレイアウトを
この914では初めて採用。

そして、商品力を高めるデダッチャブルトップ
でオープンエアードライブも可能としました。

そして、ポルシェらしいのが居住性の確保

2座のスポーツカーですが
914はキャビンスペースもかなり
広く取っており、ラゲッジスペースも
かなり実用的でした。

もちろんMRですから走りも妥協していません。
また重心の低い水平対向エンジンですからね
素性はかなりいいでしょう。

このワーゲン・ポルシェのジョイントプロジェクトは
一定の成果を上げ、
914が登場した1970年には16000台
その後は20000台以上を生産して
ポルシェの「増産」という目標は達成します。

一方で、「本物のポルシェではない」という
評判もありました。
その後、それらの批判をかわすためか
ポルシェ製のフラット6を搭載した914/6も併売
されたのですが、そのワ-ゲンのマークを
忌々しく思っているエンスージアストも少なく
なかったでしょう。

またポルシェがまじめに設計した弊害か
スタイリングがあまりエキサイティングで
なかったことも批判の的となりました。

スポーツカーってのはイタリアンスポーツのように
「居住性なんか知るか。かっこいいんだから我慢せい」(例カウンタック)
のような気合でスタイリングせねばならんのですが、
なまじまじめなワーゲンとポルシェが組むと
「走行性能と居住性の高度な妥協点」
を見出そうとして、あまり面白みのない
スタイリングになってしまうのかもしれません。
そのせいか、おせっかいな社外デザイナーが
914をベースとしたデザインスタディーを
種々発表します。(写真はジウジアーロ先生作)

ともあれ、914ポルシェとワーゲンという
会社の成り立ちを考えれば、914というのは
ポルシェの祖となる356と同様な
成り立ちであるわけで、

オープン、水平対向、ミドシップという
コンセプトは後にボクスターという
ヒットにつながるわけですから
このワーゲンポルシェプロジェクトは
もう少し評価されるべきではないかと
思うのです。

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 -スーパーカー列伝

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