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スーパーカー列伝66オーテックザガートステルビオ

   

こんにちは

震災から5年。

こんな馬鹿話が書けるようになるとは
夢のようです。
震災で命を落とされた方々に
改めてご冥福をお祈りいたします。

さて、オーテック。

オーテックは日産のいわゆる特装車を手がける企業
として、1986年に設立されます。

初代社長は、あの桜井 眞一郎

スカイラインの開発主査を長年努めた、
伝説の技術者。

オーテックは桜井さんの理解者であった
日産久米社長が、会社の名前まで考えて
用意したようです。

その由来は「大手食う」
からだというから、バブルですね。

さて桜井さん。

オーテックの事業として華々しいものを
考え付きます。

そうです。イタリアの名門
ザガートとの協業です。

オーテックザガートの名があらわすとおり、
オーテックが車のチューンを
ザガートが内装とエクステリアを担当します。

ステルビオの名はスイスとイタリアを妨げるアルプス越えの要衝
として有名な、綴れ折りの狭い道路の続く標高2757mの剣が峰
「ステルビオ峠」のことだそうでして。
なんとなくスカイラインを隠喩しているような
ネーミングです。

それにしても、このカブトガニのような
ボンネットはいかがでしょうか。

じつは、このボンネットのふくらみの
中にバックミラーが仕込まれております。

当時まだ、ドアミラーは禁止されていて
日本車はフェンダーミラーが標準。

桜井さんは、このミラーがインテグレート
された、ボンネットのデザインに
こだわっていたみたいです。

じつはザガートはこれと同じようなことを
アストンマーチンバンテージザガートで
やっておりまして、
桜井さんはこのイメージだったのだと
思われますが、

なんせ、アストンみたいな手作り車と
もともとは量産車がベース
(元はレパード)の車ではわけが違い
デカイV63リッターのエンジンが納まっている
ボンネットを美しく成形するのは
とても困難だったようです。

正直ザガートは、フェンダーミラーの
ことがわからなく、
「なんでこんなことすんだ」
状態だったようですね。

外装はアルミを手たたきして
仕上げる、塗装も磨き上げられました
フロントの驚愕のデザインに目をつぶれば

随所に、名門の仕事の痕跡も
みとめられないことはないのですが

内装は、イタリアンな雰囲気で
高級な素材を使って丁寧に
作られているのですが、
元の、レパードのインテリア
がベースなもんだから、

どうも和室に、イタリアンデザイン
のソファーを置いたような
ちぐはぐさ。

そして、その驚くなかれ
そのプライス。
約1800万円。

国内限定100台とも200台とも言われましたが
生産は遅遅として進まず
(そりゃそうだ手作りだもん)

1993年ごろまで生産されていたようです。

その後オーテックが懲りたのか
ザガートが懲りたのか解りませんが、
提携は解消。

それでも第2段として
オーテックの名前が取れた
ザガートカビア
と言う車も登場します。

こちらは、あのフェンダーカブトガニ
ではなく、割合まともです。
こっちで最初から出してればという
気もしなくはありません。

さて、バブルの申し子とも言うべき
この珍車。

その後価格は暴落し
新古でも400万円ぐらいになってしまった
そうですが、

いまでもたまに中古車市場で見かけます。
お値段200万円ぐらいのようですね。

イタリアンデザインと
日産のV6パワーの融合。

日本のアルファSZとも言うべき
オーテックザガートステルビオ

皆さん名前だけでも
覚えてやってください。

p1 (2)
006_o

stelvio

 -スーパーカー列伝

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  1. 774RR より:

    マクラーレンのスーパーカーと比べ値段、性能、駆動方式、量産性、ブランド、ピュアスポーツ度あらゆる全ての面で劣る様なLFAというトヨタの高価格で限定な車、それなんかより

    よほど希少で名車だと思いますね日産の高価格で限定な車は
    少なくとも叩かれるような車ではありません

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