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スーパーカー列伝67 トヨタセリカGT-FOUR

   

こんにちは

トヨタというのは
かつては80点主義とか
保守的な車作りがそのコーポレートアイデンティティ
と思われがちですが、

結構やるときはやりますよ。

ルマンだって、もう少しで
制覇できそうでしたし、

F1だってがんばって参戦
してましたし、

車でも、時々「アッ」と言わせるの
を出しますよね。

セリカってのは
初代から、トヨタのトレンドセッター
イメージリーダー的な役割
を担っていて、デザインは
かなり個性的だったと思います。

さて、4代目のセリカ
長年FRで通してきたセリカも
姉妹車のファミリーカー
コロナ、カリーナが主にスペース効率の
問題からFF化を図ったことから
セリカもついにFF化されます。

どちらかといえばスポーティーなイメージ
であったセリカにとってFF化は
あまり良いイメージではなかったでしょうね。

そこで思い切ったイメージチェンジ
キーワードは「流面形」

先代のセリカが直線基調だったの
に対して

滑らかな空気の流れをイメージ
できるような曲線貴重に、

そしてスペシャル感をかもし出す
リトラクタブル式ヘッドライト。

この革新的なデザインは受け入れられ
FFセリカは市場からは好意的に
評価されたのでした。

そして、この車の人気を決定付けた
のが、シリーズ最ホットモデル
GT-FOUR
CMのコピーは
「流面形四駆す」というものでした。

もともとはセリカのラリー参戦の
ために開発したモデルで
ツインカムの3S-GEに
ターボをドッキング
最高出力はリッター100馬力に迫る
185馬力を発生します。

そしてトヨタ初のベベルギア式
センターデフによる、フルタイム4駆に
より、悪路でも良路でも確実に
路面にパワーを伝えることができる

そんなスーパースポーツが
誕生したのでした。

この車をほっておかなかった
のがホイチョイプロダクション

あの大ヒット映画
「私をスキーに連れてって」
の劇中車として、その4WDの
走破力を存分に生かして
縦横無尽に走り回り、
映画のなかで重要な
役回りを果たしたのでした。

当時、4輪駆動といえば
いかついクロカン四駆しかなかった時代
(スバルはあったけど(笑))

こんなデザインがしゃれていて
絵になる、都会派四駆は少数派。

この映画の影響で、
スキーにはセリカGT-FOURで
という、トレンドが生まれました。

しかし、ノーマルのセリカより
100万近く高かったGT-FOURです。
おそらくバッチチューンのGT-FOURも
多くいたと推察いたします。

さて、そのような中、トヨタがもくろむ
ラリーでの活躍についても、百戦錬磨の
トヨタチームヨーロッパにより着々と
計画が実行され、1990年には天才ドライバー
カルロス・サインツの手に
セリカはドライバーズタイトルをもたらします。

その後もセリカのラリー活動は続き
ますが、次第に、スバル、三菱の
軽量なセダンベースのマシンに
破れるようになります。

どうしても重量がかさみがちなセリカの
ラリーへの投入はいつしか終わりを迎えます。

モータースポーツでの活躍がみられなく
なるのにあわせて、若者の関心は次第にこの種
のスポーティーモデルから
若者の車はもっとベーシックなもの
ミニバンや、省エネなスモールカー
に関心が向かうようになっていきます。
若者の車ばなれというやつですね。

そしてセリカGT-FOURの名が消えた
7代目をもって
セリカの名前は消えていったので
ありました。

雪国生まれの私、
学生時代、
都会の友人はみななぜこぞって
冬、わざわざ車でスキーに行くのかと
不思議に思っていましたが、

きっと、「私をスキーに連れてって」のような
世界が、(ほんの一部でしょうけど)
展開されていた(されるという妄想か?)のかもしれませんね。

そんな時代を彩った名車でございました。

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 -スーパーカー列伝

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