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スーパーカー列伝50 ポルシェ930ターボ、911ターボ

   

こんにちは
とうとう50回目を迎えましたスーパーカー列伝
皆様の応援が継続の原動力です
以後もよろしくお願いします。

さて、今回は930ターボ、
(後には911ターボとよばれましたが)

ポルシェはイタリアの2大巨頭に比べると
どうも地味な会社です。

これはドイツ人とイタリア人の国民性
の違いだとかなんとか言われますが、
結局のところ、

第二次世界大戦で
イタリアがとっとと降伏したこと

に原因があるのではないかと思います。

都市伝説だと思いますが、
日本人がドイツの酒場に行くと

おじいちゃんから
「今度はイタリア抜きでやろうぜ」と言われる
と言う話を聞いたことがありますが、

ドイツもとことんまで抵抗して
日本同様、国は焦土と化しました。

一方イタリアは焦土となりませんでしたから
戦後のドサクサにまぎれて
富を手にするいわゆる戦後成金たちが
たくさんいたのでしょうね。
それらの受け皿がフェラーリとか
そのへんだったわけです。

ドイツは、その点なんとか
国を立て直すと言う観点から
フォルクスワーゲンの生産に
精を出して、これを世界に輸出
して戦後の復興の一助としたわけ
ですけど、ポルシェってのはそもそもが
このワーゲンがベースになった
小型スポーツカー(356)
ですからね。

フェラーリみたいなグランプリカーを
そのまま販売するというのとはわけ
が違ってたんですね。

さて、そんなことで、ポルシェ乗りってのは
どこか、優美なデザインでデッカイ多気筒
エンジンのイタリア車へのコンプレックスというか
なんというか複雑な心情があるんですけど
(私だけか?)

それを乗り越えて、やっぱり
「ポルシェは凄い」
っていうのがポルシェ乗りのメンタリティー
ではないかと思うんですね。

そのポルシェ乗りのメンタリティーを
よくつかんでいるのが、このポルシェ930ターボ
だと思うんです。

まずエンジン。
たったの3リッター、しかも6気筒しかない

しかし、これにハイテク装置(当時)の
ターボチャージャーをドッキング。

最高出力は260馬力ですよ。
そんでもってトルクは35キロ
まあ、当時世界最速を誇った、
365BBは385馬力(!)ですから
たいしたことないような気もしますけど、
あっちは4.4リッター、こっちは3リッター
しかも、カタログには希望的観測を書いても良い
イタ物スーパーカーですから。

ポルシェが260馬力っていったら、
最低でも260馬力はきっちりでるわけです。
なんならベンチてすとしますかの世界です。(笑)

そして最高速度は260キロ。

こちらも、希望的観測ではなくて
絶対ほんとに出るんですよ。

しかもポルシェのやっぱり凄いところは
この260キロの最高速で巡航できる
ところですね。(って池澤さとし先生が書いてました)

世界最速の365bbの実力は実際のところ
280から300馬力と言われておりましたから、
もっと軽い930ターボの実力は拮抗していた
かもしれません。

さてさて、無敵を誇ると思われた
930ターボですが、元をたどれば
レーシングカーをそのまま
ロードカーにしたようなところ
がありましたから
当時の技術ではいかんともしがたい
ところがあったのも事実。

まずミッションは4速。

ポルシェは
「トルクフルなターボは4速で十分」
と言っていたようですけど、
実際はポルシェ独自のポルシェシンクロの
ミッションがターボのパワーに耐えられず
やむなく4速というのが実情だったようです。

ついでに圧縮比が6.5しかない。
この当時のエンジンマネジメントは
まだ機械式インジェクションに頼ってましたから、
緻密なコントロールは不可能だったんでしょうね。

勢い、ドッカンターボになりました。

しかしながら、
この「ちょっとだけ不利な条件を克服して速い」

というポルシェ乗り独特のメンタリティーを
つかみ、

かつレーシングカーそのもののような
ぶっといタイヤと、巨大なフェンダー
そしてこれでもかというどでかい
リヤスポイラーを備えたを
持ったターボはポルシェの控えめで
くそ真面目な社風から逸脱しては
いたものの、ポルシェファンから
は根強い支持と賞賛をえることに
なりました。

その後
930型が3.2リッターに拡大して
生産完了掏になる1989年まで
ポルシェのラインナップに
名を連ねる、ヒットモデルとなったので
ありました。

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 -スーパーカー列伝

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