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スーパーカー列伝31 ホンダNSX

   

こんにちは

1980年代後半から、90年代の半ばごろまで、
日本のバブルの時代に企画された車には、相当な
物量と技術が投入されていたと思います。

たとえば、トヨタがはじめてベンツ、BM、などの
ガチンコ勝負に出たセルシオなんかは、他の追随を許さぬ
静粛性、くわえてその完成度の高さ。そして価格の適切さ
(安さ)に他メーカーが相当脅威を持ったということが
いわれています。
日本車はあくまで、大衆車を出すメーカーの集まり
と言う感じで捉えられていましたから。

さてそんな中で、ポルシェ、フェラーリの独壇場で
あるところの高級スポーツカーの分野にも
日本から一石が投じられます。NSXです。

NSXはバブルの絶頂を迎えていた1989年に登場します。
日経平均株価が最高値を付けたこの年でしたが
翌年には2万円割れとなりましたから、本当に
バブルの最後に登場したことになりますね。

当初は軽量で快適なミッドシップスポーツカーを目指し
4気筒の軽量エンジンを搭載することも考えていたようですが、
F1に参戦する本だとしては世界に向けて
ホンダのスポーツスピリットを表現するような
本格的なスポーツカーとするということに変更。

当時ホンダはなんとドイツニュルブルクリンクに
開発基地を建設。当時のF1ドライバー中嶋悟
アイルトンセナなどにもテストを依頼して開発
を進めます。日本発のアルミモノコックのボディーは
当初剛性が低く、ドライバーからは改善の厳しい
要求が出たと言います。

当時のフェラーリのミドシップ328を超える性能
を目指していたのですが、なんせ個体差の大きいフェラーリのこと

ホンダは何台も買う羽目になったそうです。

エンジンも当初の4気筒からレジェンド用のV6をツインカム化
ついでに、当時の最新技術可変バルブタイミング機構
(VTEC)を導入して自然吸気の3リッターで自主規制いっぱいの
280馬力を達成しました。

さて販売が開始された、1990年当時まだ、バブルの残り香が
漂ってましたから、すぐに予約注文が殺到。
へたすると中古屋にならんでるアメリカ並行のアキュラの左ハンドル
モデルのほうが高い、という新車と中古の逆転現象
なんかも起き、とりあえず注文入れておけば
後で儲かるぐらいの話しも流布していたような
気もします。

このNSX。私大学生のとき、先輩の父上がオーダーを入れた
と言うお話しを聞き、お金はあるところにはあるもんだと
感心した覚えがあります。

アルミのモノコックで少量しかさばけなかったホンダも事態を
重く見て、増産体制を引き、日産25台を50台まで増産し、少しでも早くユーザーの手に
届くように努力しましたが、翌年になるとバブル崩壊の本格的な
景気後退に入り、キャンセルが相次ぐという皮肉な結果を
招きました。

2005年の生産終了まで世界で18000台あまりが送り出され、日本では7400台を販売
いまでも6000台超が現存するそうです。
ただそのほとんどが1991年以前の初期モデルだとのことです。

フェラーリの性能を目指して作られたNSXに、おそらくフェラーリも
脅威を感じたのではないでしょうか?
フェラーリはまったく新しいモノコックボディーの348を89年に投入していますし
その後の355などはマラネロの工芸品と言われたフェラーリの品質を
大幅に引き上げたモデルとなりました。
NSXは現代のアルミボディー車と違って、スチールモノコックをアルミに置き換えたような
構造で、基本的に板金修理ができません。(現代のアルミボディーは外板の交換が容易)
アルミは鉄板みたいにたたいて戻したりというのがきわめて困難ですからね。

そうした中でも6000台近い車が残っているのは、
メーカー自らリフレッシュプランなどのメニューを提供し、
長くユーザーに愛される努力をしている現れだと思います。

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 -スーパーカー列伝

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