スーパーカー列伝87 イソ・リヴォルタ・グリフォ
こんにちは
もうひとつのランボルギーニ イソのお話。
イソは、1939年イタリアで創業した
冷蔵庫と暖房器具などを製造する企業でした。
これに目をつけたのが実業家のレンゾ・リヴォルタ。
すでに敗色濃厚だったイタリアにおいても、
食わなくてはならないのだから冷蔵庫ぐらいは
売れるだろうとの目算でこの企業を買収したといいます。
戦後は、庶民の足としてのバイク製造に精を出し、
世間をあっと言わせるようなマイクロカーを
発表します。イセッタです。
BMWイセッタといわれることが多いので
BMWが開発したと思われがちですが、
これはイソが1952年に発表したもので、
自社生産に頓着しなかったイソは、BMWに
ライセンスを供与し、BMWは自社ブランドで
製造・販売していたのです。
レンゾには、高性能なスポーツカー製造への
野望がありました。
いってみれば、トラクターとエアコンで成功した
ランボルギーニと同じような位置に戦後彼は居たのでしょう。
1962年には、自らの名前を冠した
イソ・リヴォルタGTというというGTカーを発表します。
スタイリストはベルトーネのチーフデザイナーに就任したばかりの
ジウジアーロ。
そして設計はフェラーリでその名声を高めた
ジオット・ピッザリーニによるものでした。
このGTの好評を受けて、
レンゾは新しいモデルを開発します。
それがこのイソ・リヴォルタ・グリフォです。
エンジンはGTに続いて、自社製ではない
シボレーのV8エンジンが選ばれました。
アメリカンV8を選ぶというと、
お手軽に、大馬力のエンジンを調達
する手法と思われがちですが、
一説によると、当時のイタリアの
熟練工の給料は驚くほど安く、
原価計算すると自社製エンジンを開発
するほうが安くつくという時代だったようです。
アメリカンV8を採用した理由には
小メーカー故の開発期間の
短縮の目的もあったと思いますが
V12エンジンより軽量コンパクトで
高出力を得たいという理由もあったのでは
ないでしょうか。
1963年のジュネーブショーに出品された
グリフォは1965年から生産が開始されました。
当初は5.4リッター350馬力というスペック
だったのですが、1965年には7リッター
バージョンが投入され、435馬力の出力で
最高速度300キロを誇ったといいます。
おそらく当時最速の車だったのではないでしょうか
デザインも、フロントはオーソドックスな
クーぺのようですが、リヤには曲面ガラスを
多用したジウジアーロらしい、美しさがあります。
このような、美しいボディーに
獰猛な7リッターエンジンを搭載した
グリフォはどんな走りを見せたのでしょうか。
その後70年にマイナーチェンジが施され
ヘッドライトはセミリトラクタブルに変更されます。
そして、7リッターに代わるシリーズ
最強バージョンとしてCan Amが投入されました。
このCan Amは生産台数が少なく、
シリーズ中最も洗練されていながら、
獰猛なモデルとして、高い評価が与えられているとのことです。
72年にグリフォはシボレーからフォードのエンジンへ切り替えを
図るのですが、そのパワーと魅力を失ってしまいます。
そして1974年オイルショックの影響を受け
イソが倒産するとともに、生産を中止したのでした。
実は、グリフォには、ロードバージョンのほかに
ピッザリーニが強く推した
レーシングバージョンのグリフォA3/Cというモデル
がありました。
こちらは1964年のルマンに出場14位に入賞します。
22台が生産されたましたが、結局イソと袂を
分かつことになったピッザリーニ自身が手がけることなり
ピッザリーニGTとして世に出ました。
こちらもジウジアーロデザイン。
わかりやすく カッコ良いスーパーカー然とした車です。
一説には、こういうコンペティティブなものは売れないだろう
という社内の判断があったと聞きますが、
かのランボルギーニでも、フェルッチオが
まったく興味を示さなかった「ミウラ」が
発表されたことで名声を高めたように、
ひょっとしてこっちを市販化していれば、
イソの命運は尽きなかったかもとおもうのですが
果たしてどうでしょう。
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