スーパーカー列伝83 イタルデザイン AZTEC
2016/05/02
こんにちは
イタルデザインは、イタリアはトリノに
本拠を置く企業。
かのジョルジュ・ジウジアーロが興した企業です。
1960年代から、1980年代にかけて
天才的手腕を発揮した同氏のこの会社も、
その後息子に代替わりしたりして
とうとう今はフォルクスワーゲンの軍門に下って
しまいました。
その1988年の問題作
AZTEC(アステカと読む)です。
イタルデザインには
BMWに提供した似たようなモチーフの
ナスカというのもありますので、
このころは南米系ネーミングだったのでしょうか。
ジウジアーロは生涯を通じて、
航空機のような「キャノピー」
のようなコックピットをデザインテーマとしてまいりました。
古くはマセラティーブーメラン。
そして日本においては
ご存知SVXです。
このAZTECでは、キャノピーのような屋根を持った
ツインコックピットをテーマとしております。
実際にはツインコックピットで
両側から操作をすることはできませんが、
片側の座席にも、
あたかもステアリングのようなデザインの
ような物体が鎮座しています。
キャノピーがかぶさりますと
当然、それぞれ、個別の空間になりますので、
会話はインカムを介してということになります。
このキャノピーは屋根はなく、常時オープンエアです。
そして車体後半部分。
空力を意識してか、
すっぽりとタイヤがカバーされ、
そのカバーにはなにやら
車とは思えぬような、デザインが施されています。
このボディーはカーボンケブラーや、アルミなど
当時の新素材が惜しげもなく投入されていました。
まったく未来を目指したような外観なのですが、
一方で車としてのパフォーマンスは割合
平凡でして、
アウディークワトロの直列5気筒エンジンに
ターボを装着。ミッションはランチアインテグラーレを
流用。
最高出力は250馬力というものでした。
空力的には優れているように思えますが
あくまでオープンエアですので、
パワーはこの程度で十分と判断されたのでしょう。
このAZTECは1988年にイタルデザインの
ショーカーとして発表されたのですが、
イタルデザインの創業メンバーである
宮川 英之氏が、量産化(ったってそんなたいした台数ではないのですが)
を検討。ドイツで生産を委託します。
当時景気絶好調だった日本を中心に
50台を売りさばこうという
プロジェクトだったようです。
実際に生産されたのは1990年代に
入ってからだったようですが、
なんとそのお値段1億円ですからね。
いくらスタイリングが斬新だとはいえ
アウディークワトロの直5を積んだ
パフォーマンスが強烈でもない
スーパーカーはなかなか売れなかったようで
実際には25台が売れた(それでも25億ですが)
に過ぎなかったようです。
しかしこのAZTEC
ツインコックピット、キャノピーという革新的モチーフと
後半の未来を感じさせるつくりには非凡なところ
を感じさせるのですが、
かつての折り紙細工といわれた
ジウジアーロの煌きはあまりないような気がします。
1990年代に入って
ガラス加工や、ボディーパネルの整形も
高度な加工が容易になり局面を多用した
思い切ったデザインができるようになったのですが、
かならずしも、そのような技術が
美しいスタイリングを生み出すとは限らないのですね。
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