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スーパーカー列伝46 トヨタスポーツ800

   

こんにちは

本日は60年代を彩った傑作ライトウェイトスポーツを

トヨタスポーツ800は1962年の東京モーターショーに
参考出品されたパブリカスポーツが基となっています。

開発を担当したのは、トヨタの子会社であった
関東自動車。

パブリカスポーツのネーミングのとおり
トヨタの大衆車、パブリカをベースとして開発
バブリカという車は、オーソドックスな設計な
多いトヨタ車の中では異質な存在でした。

まずそのエンジン。

トヨタでは唯一無二ともいえる空冷水平対向2気筒OHV
これまで空冷にも、水平対向にも取り組まなかった
トヨタが突然なぜと言う感じですが、
これは小型大衆車として、当時先進的な設計であった
シトロエン2CVに範をとったからと言われています。
パブリカももともとは前輪駆動で企画されていたよう
ですが、その当時まだ良いFF用ドライブシャフトが
日本にはなかったようですね。

このあたりは同じく2CVを参考にしていた
スバル360が同じようにFFを断念したのと
同じような理由で興味深いです。

さて、このエンジンベースとなったU型エンジン
大衆車用ということで経済性は抜群ですが
パワーがたりません。
ということでエンジンの排気量は100CCアップして
800CCへ、そしてツインキャブが装備され
なんとか45馬力をひねり出します。

これだけではまだ足りない。

そのため開発陣は、徹底した軽量化と、
空気抵抗の減少を図ります。

なんと最初の試作車となったパブリカスポーツでは
日本発のドアのないスライディングキャノピーを
設けて、軽量化と高い剛性を両立しようとさえ
していました。

流石に量産モデルではこれはあきらめ、屋根部分が
取り外しできるデダッチャブルトップにあらためられましたが
これはポルシェのタルガより先だったというのだから
驚きです。

徹底した軽量化の努力により、なんと車両重量は
580キロと当時ライバルとされたホンダS600より100キロ
以上軽量化することに成功。
最高速度は155キロと、1000CC以下のスポーツカーとしては
高性能でした。

さてトヨタスポーツ800を語る上で
忘れられないレースは
1695年の船橋サーキットでのGT-Ⅰレース

1965年の船橋サーキットで開催された全日本自動車クラブ選手権と
そして1966年の鈴鹿500キロレースでしょう。

1965年の全日本自動車クラブ選手権では日本のレース
草創期を飾った二人のレーサー
浮谷東次郎と生沢徹の名勝負が
繰り広げられます。

レース序盤でクラッシュして下位に沈んだ
浮谷のトヨタスポーツは、レース終盤に向け
猛然と生沢を追い上げ、ついにトップを奪取
するストーリは、あちこちのサイトに記載
されております。ご興味ある方はぜひ
検索してみてください。

さらに面白いのは
1965年の第一回鈴鹿500キロレースですね。
ロータスエラン、フェアレディー1600
スカイラインGTなど並み居る競合が
ひしめき合う中、

空冷2気筒のパタパタと言う音を
響かせて走るトヨタスポーツ800に
勝ち目はない様に思われました。

しかし、ウサギとカメを地で行くこの車
カタログデーターリッター31キロと言う経済性

他の車が給油のためにピットに戻る際も
ひたすら走り続けます。

レース終盤になっても、給油に向かう
そぶりはなし。

ついに500キロを無給油で走りきった
トヨタスポーツ800は
なんと1,2フィニッシュを飾ります。

軽量なボディーのためタイヤのもちも
良かったことも幸いしました。

手ごろなライトウエィトスポーツと
してそのパタパタしたサウンドから
「ヨタハチ」と親しまれた
トヨタスポーツ800ですが、
まだまだ2シータースポーツは
庶民には贅沢品であり、
1969年の生産中止まで
3000台あまりが生産されたに過ぎませんが、

60年代を彩った傑作スポーツカーでした。

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されました。

 -スーパーカー列伝

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