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スーパーカー列伝47 ポルシェ996

   

こんにちは

友人が996を購入したとのことなので。
お祝いで一発。

996です。
まあ車名としては911なんですが、
なんといっても、RR水平対向6気筒、
そして空冷というのが911のアイデンティティ
だと言うふうに思われていたわけで

とうとう空冷をあきらめ、
そして設計も一新した車ですから
やはり996と呼ぶのが正しいのかもしれませんね。

993までのポルシェは
1964年登場の911の基本設計
をどこかしら引きずっておりました

空冷に対する狂信的なまでのオーナーの
期待の中

ポルシェとしては、絶対にこけられない
オールニューな水冷モデルでした。

964,993でとうとう3.6リッターまで拡大
されたポルシェのエンジンは、ある意味
設計上の限界を迎えていました。

なんたって最初はわずか2リッターでしたからね

排ガス規制によるパワーダウンの中、ポルシェ
の歴史は排気量拡大の歴史でもあるわけですが、
ストロークが短いエンジンのボアアップてのは
いくらなんでも限界があります。

ついでに水平対向ですから、ストロークを
伸ばすにもと今度は車幅が引っかかってきて
しまいます。

新しいエンジンは3.4リッターとダウンサイジング
しかし出力は3.6時代よりも向上して
300馬力を発生させたのは、
エンジンがDOHC化されて、
より高回転に耐えられるようになり

また水冷化によりより緻密な冷却ができる
ようになった成果でしょうね。

また、衝突安全性を確保するために
車両は若干大型化したのですが、
それにもかかわらず
空冷モデルより50キロほどの
軽量化に成功しています。

水冷化による補機類の増加を考えると
技術陣の奮闘ぶりが目に浮かぶようです。

走りに関する部分では妥協のない設計
がなされていましたが、

小メーカーのポルシェ、ここで、
ひとつの合理化が、

フロント部分と、ダッシュボードを
下位モデルたるボクスターと共用するという
決断をしました。

今でこそ、多くのモデルをそろえ
高級スポーツカーの分野では、
他の追随を許さぬポルシェですが、

当時は911のほかには968という
924発祥の水冷モデルしかなく、
(ついでに人気もなく。)

911だけに頼ったような商売では、
そんなに業績も良くなかったのでしょうね。

走りでは妥協できないけど、
スタイリングは若干の妥協があったのかもしれません。

ただ、あまり知られていないことではあるのですが
この996のスタイリングには、日本を代表するスタイリスト
山形の星 ケン奥山氏が関わっています。
(当時ポルシェのスタイリストでした)

さてはて、水冷のポルシェ、
空冷時代のポルシェというのは
どこかしら、その快音および騒音になやまされながら
我慢して乗るような男の車

と言う感じだったのですが、

996はもはや完璧なグランツーリスモ

快適な室内とエンジンの快音につつまれて
しかもその操作性はポルシェならではの
繊細かつ正確無比。

そういう車に仕上がっていました。

昨今のオールドポルシェ高騰の中

涙目の996はお値段も涙が出るような
価格で取引されておりまして、

その車の出来栄えからすると
不当に評価が低いように思います。

私の知り合いの方も、以前は993に乗っていて
その際は奥様は見向きもしなかったそうですが

996に乗り換えたら、
めちゃくちゃ気に入っていると
いう話も聞いたことがあります。

どうでしょうね996
日本を代表するスタイリストが手がけた
スタイル。(好みがわかれるところですが)

オートマで足にしても
何の不満もないようにおもいます。

お値段国産大衆車新車ぐらいから
ありますよ。

2001-porsche-996

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 -スーパーカー列伝

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