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スーパーカー列伝 アウディークワトロ

   

こんにちは

アウディは
ドイツの4つのメーカー
アウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーが共同して
車を製造することを目的として
戦前に結成された
アウトウニオンが母体となっています。

アウトウニオンとは英語で言えばオートユニオン
自動車製造の共同組合みたいなもんでしょうか

当時アメリカから安価な車がたくさん
入ってきて、危機感を覚えた中小メーカーが
作った組織でした。

アウディーの4つの輪はこれらの4つのメーカーを
表すとされています。

1970年代、戦後、一時期途絶えていた
アウディーブランドを再構築することに
なりました。

そこに、招聘されたのは
ポルシェを半ば追い出された形の
フェルディナンド ピエヒ
ポルシェ博士の孫ですね。

あのポルシェ917Kを設計した辣腕の技術者
にして、優秀な経営者であったピエヒは
同属経営の弊害を除くためポルシェ一族は経営から退くという
規定によって、ポルシェを退社したのでした。

さてこのピエヒが手がけたスポーツモデルが
このクワトロですね。

クワトロの特徴はなんといっても
フルタイム4WDですね。

当時4WDはパートタイム式が主流で
まあ悪路専用の特殊車両が
悪路に入ったときに初めて4輪駆動
に切り替えて、悪路での走破性を
高めるのが目的でした。
そのため、良路のグリップのよい道で
旋回したりするとエンストしたりする
(ブレーキング現象)のような欠点が
ありました。

クワトロでは、オンロード走行での
走行性能の向上を目的していましたから
4WDシステムをフルタイム化して
センターデフを装備。

この車が、後の4WD乗用車に
大きな影響を与えました。

エンジンはアウディ200から流用の
アウディー伝統の直列5気筒に
ターボを装着。
2.1リッターの排気量から
200馬力を発生しました。

そもそも良路での走行性能の向上と
操縦安定性を狙ってのクワトロシステム
でしたが、当然、悪路でもその性能は
発揮されるわけでして、

その活躍はラリーフィールドにありました。

1981年からWRCに投入され、
1982年には早くもメイクスタイトルを獲得。
1981年には、ミシェル・ムートンに
WRC史上初の女性の優勝者の栄冠を授けました。

その後のWRCは、このクワトロに端を発した
4WD+ターボのスーパースポーツで
参戦することが半ば常識化し、
市販車をベースとしたエボリューションモデル
全盛の時代になっていきます。

その後もホイールベースを縮め、
パワーをアップし300馬力を発生したモンスター
スポーツクワトロ

そしてその後継としてレースに投入された
スポーツクワトロS1など

次々にモンスター級のモデルが開発されました。

1991年にアウディークワトロは生産を中止しますが
その後もアウディーはクワトロシステムを投入した
各モデルを投入し、

4WD乗用車のパイオニアとしての
名声を得ていくのでした。

アウディーというと、1970年代までは
どちらかと言うと、フォルクスワーゲンと
似たような感じの大人しめな車を作るメーカーと
いうイメージがありましたが、

このクワトロがアウディーのブランドイメージを
向上させたことは疑いのない事実ではないかと思います。

そして、この功績を認められたピエヒは
後に親会社のフォルクスワーゲンのトップに
上り詰め、
その後、ランボルギーニ、ブガッティー、べントレー
といった超高級ブランドを傘下におさめ、
ドイツ自動社界の巨人として君臨するのでありました。

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