*

スーパーカー列伝79 ランボルギーニシルエット・ジャルパ

      2016/05/02

こんにちは

私の知る限り、
スーパーカーを買うという人には、いろんな
種類の方がおられまして、

ランボルギーニ命といったように
特定のメイクス(場合によっては車種まで)
にこだわって選ぶ(あるいはそれに乗り続ける)

という方と。

ランボもいいけど、フェラーリもポルシェもいいよね。

と次々乗り換える。(あるいは増車する9

というタイプの方がいらっしゃるように
思います。

前者の方は、車に大変お詳しい傾向があり、レストアとか
整備も自分でやる、という方が多いでしょうか

後者の方はめちゃくちゃ詳しくはないけど
ドライビングがお上手で、サーキットなどにも繰り出し
車を走らせるのがお好きという感じでしょうか
整備も信頼あるお店に任せてるから
と、じぶんでは手は下さない
という感じでしょうか。

前者の方にとっては、どうでもいいことかもしれませんけど
後者の方にとっては
メイクス間のライバル関係ってのは
重要かもしれませんね。

たとえば、ポルシェの911とフェラーリのV8とどっちにするかとか。
(うらやましい悩みですが)

まあ、そういうかたがたのために、この、
シルエット、ジャルパも生まれてきたというところでしょうか。

シルエットは、ランボルギーニのV8、4座の
ウラッコをベースとしています。

ウラッコは本シリーズでも取り上げましたが
V8横置きミドシップというレイアウトで
4座を実現し、ポルシェ911の市場を狙った
車でありました。ランボとしては量産して
市場拡大を図ろうとしたのですが、

ランボの生産技術の問題か、
トラブルが続出。
市場にはあまり受け入れられませんでした。

一方フェラーリはディーノ308GT4で同じようなことを
狙いましたが、いまいち成功しませんでしたが、
これをベースに308GTB/Sを発表
V12でなくてもフェラーリという
掟破りの方法で、
フェラーリの拡販に成功したのでした。

ランボルギーニも。
「その手があったか」
とこのシルエットを出したのでしょう。

ウラッコのどことなく抑制的で
洗練されたたたずまいを一変。
当時はやった「シルエットフォーミュラー」ばりの
レーシングカー風デザインを着せ

エンジンもチューンして、

ウラッコベースの2座スポーツ
を仕立て上げたのでした。

ところが、
当時のランボルギーニはオイルショックやらなにやらで
倒産寸前。

もともと信頼性が高くなかったウラッコベースですし
ウラッコは4座を確保するためにかなり
構造的に無理をしていましたから、
整備性が極めて低かったようです。

そして1978年にランボルギーニは
あのBMW M1の委託生産をキャンセル
され(作れないんだからしょうがない)

とうとう命運がつき、イタリア政府
管理下となります。
シルエットも1979年には生産を中止します。

そして1981年パトリックミムラン率いる投資
グループに売り飛ばされ、新体制となります。

そのとき、このシルエットのエンジンの
排気量を拡大(ストロークアップ)
概観をちょいと手直し。
そしてカウンタック風のエアロパーツを
引っ付けて、

ジャルパが登場するのです。

とりあえず、数が見込める
価格の安いモデルを手っ取り早く
出すというのが当時の新体制の
考えだったのではないでしょうか。

このジャルパですが、なんと排気量は500CCアップ
(3500CC)しているのですが、最高出力は3000CCの
シルエットより低下しているという前代未聞のスペックです。
車両重量も1200キロ台のシルエットから
ジャルパでは300キロほど増加しています。

まあ、おそらく
新体制のほうが正直だったのかと思われますが(笑)

増産を目指した、ジャルパでしたが
またもやオーナーが変わってクライスラー体制化となっても
1989年まで生産が続けられましたが、
50台あまりしか生産されなかった
シルエットの3倍ほどの生産台数
を数えることしかできませんでした。

いくらなんでも、元の信頼性が低すぎたのでしょう。

初代のシルエットは、多くが故障し
力尽きたものも大く
現在では、30台ほどが残っている
に過ぎないといわれています。

 

13062264_1038757546179783_1536111022181880306_n 13029641_1038752836180254_1229105620700195523_o

13048038_1038752899513581_773888732200142621_o 13010898_1038752792846925_5719531684904507089_n

 -スーパーカー列伝

  関連記事

スーパーカー列伝33 フェラーリ288GTO

こんにちは 本日はフェラーリのお話。 288GTOです。 F40の著名さに比べて、やや地味な印象の2

スーパーカー列伝38スズキフロンテクーペ

こんにちは 本日はちょっと小さいスーパーカー。 バブル時代の日本にも小型のスーパーカーとも言うべき

スーパーカー列伝76 アルファロメオスパイダー

こんにちは 私の勝手な説かもしれませんが、 ポルシェ911的スタイル変遷というのがありまして。 よう

スーパーカー列伝68 アストンマーティンブルドック

こんにちは イギリスの自動車メーカーは みんな大手や新興国のメーカの 傘下に入ってしまい、 いまやそ

スーパーカー列伝50 ポルシェ930ターボ、911ターボ

こんにちは とうとう50回目を迎えましたスーパーカー列伝 皆様の応援が継続の原動力です 以後もよろし

スーパーカー列伝100?列伝統計

こんばんは 皆さまのご支援により、とうとうスーパーカー列伝も第100回を迎える 事ができました。 本

スーパーカー列伝85 TVRタスカン

こんにちは   かつて栄華を誇った イギリスの自動車業界は あまり元気がありません。 あの

スーパーカー列伝70 ポルシェ968

ご無沙汰しておりました。 とうとうネタ切れかと思っておられたかたも いらっしゃるかと思いますが、 し

スーパーカー列伝59 RUF-CTR

こんにちは 本日は黄色い鳥の話。 写真はポルシェじゃねーかと思った方も いらっしゃると思いますが。

スーパーカー列伝 96 トヨタソアラ

こんにちは セリカXXの回でも申し上げましたが、 80年代、オイルショックや、排気ガス規制という 悪

  Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


カーライフ小話23 さようならランチア

ランチア。イタリアの名門ですが、今消滅の危機に瀕しております。 ランチアが産声をあげるのは1906年

【名車列伝9 共産圏のVIPカー】

ロールスロイスまでがSUVだすようになって本当の高級車ってのはなにかと考えていたら、そうだあの2台が

【カーライフ小話22 オフロードのロールスロイスかロールスロイスのオフローダーか】

ご無沙汰しております。 最近発見しましたのですが、ついにあのロールスロイスがオフローダー(SUVか)

カーライフ小話21 最近気になる車

最近気になる車についてちょいと触れたいと思います。   1.ユーノスロードスターおよびマツ

カーライフ小話20 BBSその後、そして46になりました

今年の夏に誕生日を迎えまして、とうとう46になりまして、いよいよ五十路が近くなってまいりました。また